京都大学 都市社会工学専攻藤井研究室

京都大学大学院工学研究科 都市社会工学専攻
交通マネジメント工学講座 交通行動システム分野

趣味

グレ:関西でグレ,関東でメジナ,九州ではクロ(あるいは,クロウオ)と呼ばれる,主に岩場で釣れる20cm~60cm程度の黒色の魚.磯釣りの対象魚で,石鯛(イシダイ)を底物と呼びその釣りを底物釣りと呼ぶのに対比して,グレは上物と呼ばれ,その釣りは上物釣りと言われる.なお,底もの釣りは仕掛けに重いおもりをつけて着底させる釣りであるが,上物釣りは撒き餌を使用しつつ対象魚を浮かせた上で,浮きを使用して上層から中層のあたりを狙う.上物釣りの外道(非対象魚であるにも関わらず釣れる魚)の中で釣り人に喜ばれるものとしては,ヒラマサ,クロダイ,イシダイ,イサキ,ブダイ等がある.また,希に,夜釣りでクエ(九州地方ではアラと呼ばれる)があがることもある(なお、筆者のイシダイ最重量記録は54.5cm,2.9kg写真),クエの最重量記録はクエ59cm,2.8kg写真)).一方,あまり喜ばれない外道としては,サンノジ(ニザダイ),イスズミ等が代表的である.場合によっては,ウツボ,サメ,ウミカメ,ハリセンボンなどがかかることもある.グレには,クロメジナ,尾長メジナ,沖メジナの3種が存在するが,本州で最もよく釣れるのはクロメジナ.尾長メジナは色がクロメジナよりも少し茶色がかっており,鱗が少し小ぶりで,えらの縁が黒色である,等から識別でき,釣れた時の抵抗力はクロメジナよりも格段に強い.紀伊半島南部や伊豆大島などでも釣れることがあるが,九州から奄美大島にかけてよく見られる.夜釣りで磯際10~50cmあたりを狙えば大型の尾長がかかることがある.なお,沖メジナは関西ではウシグレとも言われるメジナで,通常,食用にはしない.沖メジナが釣れることは極めて希で,一般にメジナの魚影の濃い場所に生息することから,釣り人は沖メジナが釣れることを,釣り場の魚影の濃さを示す印と認識する.クロメジナ,尾長メジナのいずれも白身の魚で,真鯛よりも高い食味評価を受けることが多い.特に冬の時期のグレは寒グレと呼ばれ,刺身,塩焼き,鍋,煮魚,等いずれの調理法でも美味.また産卵時期の雄の精巣は肥大し,それを軽く水洗いした上で,あるいは,湯通しした上で醤油,みりん等と共に食すると絶品である.ただし,黒色であるためか,関西でも関東でも,一般の魚屋で売買されることは希であり,美味しさの割には,一般にはほとんど知られていない.食味を含めてその存在を知るのは釣り人のみというのが現状のようである.なお,平成18年4月1日現在の筆者の,グレ最重量記録は55cm,2.2kg写真) (尾長メジナ,平成16年12月,長崎県男女群島にて).