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  ご挨拶  
    

 世界経済の発展を導き、世界中の人々の幸福の増進に資するであろうと多くの人々が素朴に信じていた「グローバル資本主義 Global Capitalism」は、その本質的問題を徐々に露呈し始めています。とりわけ、2008年のリーマンショックはその本質的問題を誰の目にも明らかな形で顕在化させ、今日では、ギリシャ問題を抱えたEUにおいても、巨大な所得格差や地域間格差によって不安定化しつつある中国においても、巨大なデフレギャップを抱えるに至ったアメリカにおいても、そして20年にも渡る長いデフレ不況にあえぐ日本においても、大多数の人々が安定した仕事と暮らしを営むことができない状況へとたたき落とされるに至っています。
 この状況に至ってもなお「グローバル資本主義」の有効性を信じて疑わぬ人々は未だ至る所で相も変わらぬ言説を述べ、それに基づく政策的実践を続けてはいるものの、この状況を前に、グローバル資本主義の終焉を冷静に理解し、それが本質的に抱えていた問題を把握し、これから何をすべきであるのかを政策的実践の形を構想しはじめた心ある人々が、世界各地に確実に現れはじめています。
 本シンポジウムでは、そうした1929年の大恐慌後の世界に大いなる相違を為す巨大な混乱の淵にある今日の世界において、20世紀から21世紀初頭にかけて世界を席巻した「グローバル資本主義」を乗り越える方途を探ります。そのために、「グローバル資本主義」に対してそれぞれの立場でそれぞれの地で疑義を呈し続けてきた論者達が、グローバリゼーションが進行した21世紀の今日に於いてもなお日本の古い歴史と伝統が未だに息づく地である京都に論者達が集い、共に考えます。


 
 
 ■シンポジウム関連書籍のご案内

   シンポジウムでの講演・ディスカッションの内容は、書籍でもご覧頂けます。
 

 グローバリズムが世界を滅ぼす(文春新書)
 エマニュエル・トッド,ハジュン・チャン,柴山 桂太,中野 剛志,藤井 聡,堀 茂樹
 ISBN-13:978-4166609741

 

 Beyond Global Capitalism (Springer) [英語]

 Edited by Satoshi Fujii
 ISBN-13:978-4431551805
 
     

主  催 : 京都大学レジリエンス研究ユニット(ユニット長:京都大学教授藤井聡)

後  援 : 株式会社文藝春秋

時  期 : 2013年12月2日(月), 10:00〜17:30(終了予定)
      18:00〜:懇親会(6,000円・別途・ブッフェ形式)

場  所 : 国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)
               http://www.icckyoto.or.jp

参加費 : 2,000円
(昼食込)

プログラム

当日発表資料(PPT)    藤井聡   Ha-Joon Chang   柴山桂太

登壇者

   
        Emmanuel Todd (エマニュエル・トッド:人類学・歴史学者)

1951 年生まれ。フランスの人口学・歴史学・家族人類学者・経済学者。ケンブリッジ大学歴史学博士、パリ政治学院修了。現在、フランス国立人口学研究所 に所属。人口統計による定量化と家族構造に基づく斬新な分析で知られる。2007 年ユセフ・クルバージュとの共著『文明の接近』ではアラブ革命を予言。2002 年の『帝国以後』は世界的なベストセラーとなった。

・代表的図書
自由貿易は、民主主義を滅ぼす」、「自由貿易という幻想(共著)

   
       Ha‐Joon Chang (ハジュン・チャン:経済学者)

1963 年生まれ。ソウル大学で経済学を学んだのち、英ケンブリッジ大学で博士号を取得。1990 年よりケンブリッジ大学経済学部で開発経済学を教える。現在、同大学准教授。世界銀行、アジア開発銀行、国連貿易開発会議など多数の国際機関のコンサルタントを歴任。2005 年、経済学の未開拓分野を切りひらいた者に与えられる「レオンチェフ賞」を、41 歳の最年少で受賞し脚光を浴びる。

・代表的図書
世界経済を破綻させる23の嘘」、「はしごを外せ―蹴落とされる発展途上国

   
        藤井 聡 (京都大学大学院教授・レジリエンス研究ユニット長・内閣官房参与)


1968年生まれ。京都大学で博士(工学)取得ののち、スウェーデン・イエテボリ大学心理学科客員研究員、京都大学大学院助教授、東京工業大学大学院教授などを歴任。2009年より現職。2011年京都大学レジリエンス研究ユニット長、2012年12月より内閣官房参与。専門は国土計画等、公共政策に関する実践的人文社会科学全般。近著に「レジリエンス・ジャパン 日本強靭化宣言」、「強靭化の思想」など
   
        中野剛志 (評論家)


1971年生まれ。元京都大学大学院准教授。エディンバラ大学社会科学博士。イギリス民俗学会Nations and Nationalism Prize 受賞。近著に「TPP 黒い条約」、「反・自由貿易論」、「日本防衛論グローバル・リスクと国民の選択」など。
   
       柴山桂太 (滋賀大学経済学部准教授)


1974年生まれ。京都大学経済学部卒業後、同大学人間・環境学研究科博士課程単位取得退学。専門は経済思想、現代社会論。主な著書に「静かなる大恐慌」、「グローバル恐慌の真相(共著)」など。
   
         
      お問い合わせ    
   

京都大学レジリエンス研究ユニット事務局 (京都大学藤井研究室内 神田・宮川・藤井)

tel: 075‐383‐3241
email: resilience@trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp

   
     
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